病院について

当院のがん治療について

社会保険田川病院のがん診療について

社会保険田川病院は平成17年1月より「地域がん診療連携拠点病院」として厚生労働省より指定を受けております。地域がん診療連携拠点病院は国の『第三次対がん10ヵ年総合戦略』、および平成19年4月に施行された『がん対策基本法』の基本理念に則り、全国どこでも質の高いがん医療を受けることができるよう、がん診療の連携・支援の拠点となるべく国から指定された病院です。

地域がん診療連携拠点病院には主に次の三つの役割があります。

① 専門的ながん医療の提供
② 地域におけるがん診療の連携協力体制の構築
③ がん患者さんに対する相談支援及び情報提供

専門的ながん医療の提供

集学的治療の実施
手術・抗がん剤・放射線療法などを組み合わせた集学的治療、各学会のガイドラインに基づく標準的治療を提供しています。

◆ リンク
5大がんの診療機能」、「その他のがんの診療機能」、「病院実績
緩和ケアの提供体制の整備
・がんにともなって生じる様々なつらさを和らげ、つらくないようにがんと向き合っていくためのケアです。患者さんのつらさを、体と心、さらには社会生活やご家族までを含めた全体として支えています。
・緩和ケアチームを整備し、医師、緩和ケア認定看護師、臨床心理士等の専門スタッフにより緩和医療を提供しています。

緩和ケアについてのページへ
緩和ケア研修会修了者のページへ
化学療法・放射線療法の提供体制の整備

・ 外来化学療法室
外来化学療法室では13床のベッドでがん患者さんに抗がん剤治療を行っています。化学療法委員会による治療内容の審査・管理のもと、専従の看護師(2名)を配置し、リラックスした環境のなかで治療が受けられるよう配慮しています。専従看護師は抗がん剤投与中の観察を行うとともに、外来で化学療法を行いながらも、より快適な日常生活を送れるような援助を心がけており、入院をしないで、安全に、安心して抗がん剤治療が受けられるよう、医師、がん化学療法看護認定看護師、がん薬物療法認定薬剤師などのスタッフが一体となりチームとして取り組んでいます。
化学療法科のページへ

・ 放射線治療装置(リニアック)
高エネルギーX線や電子線を照射し癌の治療を行う装置です。切らずに治療することが可能で、癌治療成績の向上やQOL(生活の質)の向上が期待できます。また、リニアックの稼動により、手術や化学療法と放射線治療を組み合わせた集学的な治療が可能となりました。現在、田川市郡では唯一の放射線治療施設です。また、リニアック以外にも64列マルチCTやMRIをはじめとする高度な医療機器を整備しています。
放射線治療のページへ

地域におけるがん診療の連携協力体制の構築

医師が相互に症例相談・診断依頼などを行う連携体制の整備
地域連携のための懇話会の開催や合同カンファレンス、画像ネットワークの整備などに取り組んでいます。
講座のご案内のページへ
紹介患者の受け入れと逆紹介の実施
地域における緩和医療の提供体制の整備

院内に緩和ケアチーム、緩和ケア外来を整備しています。また医師やコメディカルスタッフを対象に緩和ケア研修会を開催するなど、地域の医療従事者に対する緩和医療の普及に努めています。

・ 医師に対する緩和ケア研修会(厚労省開催指針準拠)
医師に対する緩和ケア研修を毎年開催し、田川地域におけるがん医療の水準の底上げに努めています。 この研修会は厚労省の開催指針に基づいて実施しており、講義だけでなく、グループワークやロールプレイといった手法を用いながら緩和ケアに関する基礎的な知識と技術を学んでいます。当院の研修会では今までに院内外から138名の医師と79名のコメディカルスタッフが受講し(平成29年8月現在)、皆さんそれぞれの現場で研修内容を活かして活躍されています。

・ エンド・オブ・ライフ・ケアに関わる看護師のための研修会(ELNEC-J in 田川)
看護師を対象としたがん看護に関する総合的な研修として定期的に開催しています。日本緩和医療学会が推奨するプログラムに基づき、講義、グループワーク、ロールプレイなどを通じてがん看護の在り方について総合的に学びます。

・ 田川コミュニケーション・スキル・セミナー
がん医療に携わる看護師を対象として開催しており、講義・ビデオ学習・ロールプレイを通じて、SHARE(厚生労働省委託事業コミュニケーション技術研修会において普及・推奨されているスキル)に基づくコミュニケーションスキルを学びます。がん医療の場面をロールプレイで演じ、体験することで看護師としての役割・意義を考える体験型の研修です。

地域連携クリティカルパスの整備
当院と地域のかかりつけ医とが連携して、切れ目のない医療を提供できるようにするための治療計画です。現在福岡県統一で5大がん「胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん・前立腺がん」の連携パスが整備されています。

がん患者さんに対する相談支援及び情報提供

がん相談支援センターの設置
地域のがん患者さんやご家族への個別の状況やニーズに応じた相談や、わかりやすい情報の提供
国立がん研究センター主催の研修を受けたがん相談支援専門員を配置し患者さんやご家族からの相談に対応しています。またがん患者会「たんぽぽの会」を設立し、運営・支援を行っています。
◆ リンク
がん相談支援センター」、「たんぽぽの会
院内がん登録の実施

【がん登録】
院内がん登録とは、当院でがんの診断や治療を受けられた患者さまについて、がんの診断・治療・予後に関する情報を登録・収集し、どのようにがん診療が行われているかを明らかにする仕組みのことです。当院でも平成18年から登録業務を行っており、これらの情報は自治体や国に提供され、がん対策の立案に寄与しています。なお、がん登録データの取扱いについては個人情報保護法に則り適切に管理されておりますのでご安心ください。
登録業務は国立がん研究センター主催の所定の研修を受けた診療情報管理士が行っています。

院内がん登録状況のページへ


また、がんに関する全QI(QualityIndicator, 診療の質指標)研究に参加しています。
・課題名
がん診療均てん化のための臨床情報データベース構築と活用に関する研究
(がん登録部会Quality Indicator研究)
・責任者
乳腺外科医長/院内がん登録委員長
髙橋龍司
・研究目的
こちらをご参照ください

がん診療におけるPDCAサイクル

当院では、年3回「がん診療連携拠点病院推進委員会」を開催し、がん診療に関する諸課題について把握、評価し、組織的な改善策を実行しています。

社会保険田川病院は地域がん診療連携拠点病院としてこれらの役割を担い、地域住民の皆様に質の高いがん医療が提供できるようこれからも努めてまいります。